Aliexpressで売っているQRPスモールループアンテナの改造
Aliexpressでアマチュア無線で使用できるスモールループアンテナ(マグネティックループアンテナ)が1万円程度で売っています。
7 MHzから30 MHzの範囲で、20 W以下で使用できると謳っています。このアンテナを5 Wで使用したところ14 MHz以上では問題なく使えそうでした。また、コンパクトなので移動運用には良さそうです。
しかし、7 MHz帯では送信効率が良くありません。また、チューニングが少しセンシティブで、調整しにくいのが難点です。そこで、使いやすくなるように少し改造しました。
このアンテナは、ループ部分は同軸ケーブル(8D-FB?) 2 mで構成され、周波数のチューニングはポリバリコンで行っています。スイッチでチューニングポリバリコンの配線を切り替え、低周波側と高周波側を切り替えるようになっています。インピーダンス整合には、もう一つのポリバリコンを使っています。また、フロートバランが付属しており、これを給電部に取り付けることが可能です。
購入時のチューニングボックスの配線はこのようになっていました。
高周波側ではポリバリコンを直列接続し、耐電圧を高めています。購入時そのままでは、高周波側が26 MHzまでしか同調できなかったのですが、ポリバリコンのトリマーコンデンサを調整することで30 MHzまでの調整が可能でした。低周波側の設定では、バリコンは直列ではなく静電容量を増やしていました。低周波側の設定は主に7 MHz帯で使用するためと思われますが、実際に試した結果、受信性能はまずまずなのですが、送信効率が良くありませんでした。そこで、7 MHz帯は潔く諦めて耐電圧が高くなるように以下のように変更しました。
この結果、スイッチを低周波側に倒した場合は、10 MHz帯から28 MHz帯で同調可能で、高周波側に倒した場合は28 MHz帯で使えるようになり、同調も最初よりは楽になりました。
ループ長をオリジナルの半分の1 mにすると、スイッチを低周波側に設定した場合、14 MHz帯から28 MHz帯で同調可能で、高周波側に倒すと50 MHz帯で使えました。ループ長は長い方が性能が良いので、1 m ループは基本的には50MHz帯用となります。
逆にループ長をオリジナルの倍の4 mにすると低周波側設定で7 MHz帯から18 MHz帯で使用可能となりました。しかし、ループの直径が1.3 mと結構大きくなります。移動運用を考えて2重巻にすると、送信効率は下がりますが、直径はオリジナルとほぼ同じになります。
さらに、チューニングを容易にするために、以下のように低周波側用に小容量のポリバリコン(aitendoで購入)を並列に追加して、微調整を行えるようにしました。
低周波側の設定では、はじめに微調整用バリコンを真ん中あたりにセットしておいて、メインバリコンで同調します。その後、微調整用バリコンで完全に同調します。同一バンド内で周波数変更をする時は、微調整用バリコンのみで同調することが可能です。同調は基本的には受信ノイズが最大になるように調整すれば大丈夫ですが、アンテナアナライザーやNanoVNAがあるととても楽になります。
上記の様にスモールループアンテナ(マグネティックループアンテナ)は帯域幅が非常に狭く、周波数の調整が非常にクリティカルです。アンテナアナライザーやNanoVNAがあると調整が楽なのですが、同一バンド内で周波数を変えたい時などに簡易SWRインディケーターがあると便利です。そこで、JA1XRQさんの簡易SWRメータを付属のフロートバランboxに仕込みました。JA1XRQさんの簡易SWRメータは2つのLEDを使ってSWRの大小を表示するので調整に便利です。
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