Baofeng UV-5Rは少し前に格安中華系V/UHFトランシーバーとして脚光を浴びましたが、高調波スプリアス特性がカタログ値よりもかなり酷く,新スプリアス規則を満たしていなかったため、評判をおとしました。
近年、Quansheng UV-K5が同様な価格帯で出現し、そのFirmware改造の容易さから注目を浴びました。この無線機もワイドバンド受信機として使用する分には問題ないのですが、アマチュアバンド用トランシーバーとして使用するには過去のBaofeng UV-5Rと同様に高調波スプリアス特性が新スプリアス規則を満たさず,そのままでは使用できません。出力を1W以下に絞るとか、送信用LPFを改造するとか、外付けLPFを追加するなどの対策が必要になっています。
一方、Baofeng UV-5Rですが、2020年ぐらいまでスプリアス特性が酷かったのは上記のように周知の事実ですが、最近はかなり改善されているようだとの報告が幾つか出ています。そのひとつはRadioReference.comのフォーラムでの議論(https://forums.radioreference.com/threads/baofeng-spectral-purity-imd-testing.461065/)で、もうひとつはyouTubeの動画(https://www.youtube.com/watch?v=CUSUEr6YGOw)です。
これらによると、少なくとも高調波スプリアスは144MHz帯でも430MHz帯でも-60dBc以下になっており,新スプリアス規則をクリアしているようです。当初と比べると、相当な改善があったことを意味しています。しかし、上記のyoutubeの記事によると、これとは別に基本波の約±75kHzにサイドバンド放射が観測され、これが新スプリアス規制値をクリアできていないと報告されています。
と言うわけで、これらを確かめるために最近のBaofeng UV-5RをAliexpressで購入してtinySA Ultraで測定して見ました。
まず、145MHzで送信したときの高調波出力特性です。40dBのATTを通して、tinySA Ultraで測定しています。周波数範囲は0.1MHzから1.5GHzです。
次に、433MHzで送信したときの高調波出力特性です。同様に40dBのATTを通して、tinySA Ultraで測定しています。周波数範囲は30MHzから3GHzです。
この結果を見ると、高調波スプリアスは非常にきれいで、両バンドとも-60dBc以下になっており、新スプリアス規則をクリアしているように見えます。
次に問題のサイドバンド放射ですが、これもtinySA Ultraで測定して見ました。tinySA Ultraでは,近接領域付近を正確に測定するのは難しいとのことですので、目安にしかならないとは思います。
145MHz、変調Narrowで送信し、40dBのATTを通しています。tinySA Ultraの設定は以下の通りです。
Center (MHz): 145
Span (MHz): 0.2
Points per scan: 1000
LNA: Off
RBW (kHz): 3
Attenuation (dB): 20
その結果は。
同様に、433MHz、変調Narrowで送信した場合、
Center (MHz): 433
Span (MHz): 0.2
で測定した結果は
tinySA Ultraの測定結果では、youtubeで報告されている約±75kHzのサイドバンド放射は見えません。ただ、tinySA Ultraの測定分解能は低いので、正確な測定を行える方は是非調べて見ていただくと良いと思います。
ちなみに、VX-7で433MHz送信した時のtinySA Ultraの測定結果は、
のようになっています。tinySA Ultraで測定した限り、最近のBaofeng UV-5Rのスプリアス特性はVX-7と比べて特に悪いようには見えませんでした。
追記:UV-5Rの機器によってスプリアス特性が違うようです。220MHz帯TXへの対応を考えているものがあるのかもしれませんが、VHF用のLPFのカットオフ周波数が高く第2高調波が強く出る(-30dBc程度)機器(HKのグループ会社製)がありました。この場合、145MHz帯には外部LPFが必要です。433MHzの高調波スペクトルは綺麗でした。
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