RT-4Dの高調波スプリアス特性と外付けLPF

 最近 RadtelのRT-4Dを購入しました.安値で買えるDMRトランシーバです.日本版のRT-4DJUは435MHz帯についてJARD保証可能機器リストにも載っています.145 MHz帯はJARD保証可能とはなっていません(送信不能にしている?).このため,オリジナル版は435MHz帯のスプリアス特性は新スプリアス規定を満たしているものの,145MHz帯は新スプリアス規定を満たしていないのではと考えられます.実際に測定された方々もおられ,その対策も公表されています(例えば,みずみずじいのブログ春日井デジタル無線研究会).残念なことに145MHzで送信したときに第3高調波(435MHz)が出ているので435MHzトラップが必要となり,435MHz帯との外付けフィルターの共用は出来ません.春日井デジタル無線研究会のものはスイッチを付けて,435MHz帯使用時にはトラップを切り離すようになっています.


そこで,私もTinySA Ultraを使用して高調波スペクトルを測定して見ました.

RT-4D 145MHz送信時の高調波スペクトル(TinySA Ultra + 60dB ATT)

145MHzで送信し,60dBのアッテネーターを通過させたのちにTinySA Ultraに入力しています.この場合,これまでの報告と同様に第2高調波(290MHz)が-59dBc程度,第3高調波(435MHz)が-56dBc程度出ており,残念ながら新スプリアス規定(-60dBc未満)を満たしていませんでした.しかし,あと-5dbほど下げればOKなのでハードルは高くありません.JH4VAJさんのLPFを付ければ新スプリアス規定を余裕でクリアできますし,みずみずじいさんのブログの290MHz+435MHzのダブルトラップや春日井デジタル無線研究会の435MHzトラップでも,クリア出来ているようです.

次の図では433MHzで送信し,60dBのアッテネーターを通過させたのちにTinySA Ultraに入力しています.この場合,JARD保証可能機器リストにも載っている通り,高調波スペクトルは綺麗で,新スプリアス規定(-60dBc未満)を満たしています.

RT-4D 433MHz送信時の高調波スペクトル(TinySA Ultra + 60dB ATT)

外付けLPF
 基本的には145MHz帯で運用するときにはLPFを付けて,435MHz帯ではLPF無しで運用するスタイルになると思います.みずみずじいのブログ春日井デジタル無線研究会はトラップを採用しています.この場合は出力回路に直列にLC並列共振回路を入れるか,並列にLC直列共振回路を入れるかのどちらかですが,どちらも後者のLC直列共振回路トラップを使用されています.私の場合はLPFを試してみました.回路は以下のようになります.スイッチ1つで切り替え,145MHz運用時(スイッチは下)はLPFになり, 435MHz運用時(スイッチが上)は約150MHzのトラップ(BSF)になりします.トランシーバからC入力した場合には高調波では無いスプリアスが出たので,L入力で使う必要がありました(方向性があります).
RT-4D用145MHz帯用ローパスフィルター(スライドSW付き,上の図はUHF運用時)

RT-4D用145MHz帯用ローパスフィルター
みずみずじいのブログ春日井デジタル無線研究会のトラップ方式のものより随分長くなってしまいました.

JLCPCB用のガーバーファイルは"LPF-RT4D_garber.zip"です.

コイルは0.7mmの銅線を内径3.5mmで4.5ターン巻いた空芯コイル(3.5x4.5Tx0.7)す.コンデンサーは805サイズ(1206も可)の20pFです.スイッチは秋月電子で購入したスライドスイッチです.

このLPFをつけて145MHzで送信した時の高調波スペクトルは以下のようになりました.新スプリアス規定(-60dBc未満)を満たしています.

145MHz送信時(LPF装着)の高調波スペクトル(TinySA Ultra + 60dB ATT)

スイッチを切り替えて433MHzで送信した場合も問題ありません(この場合には約150MHzのトラップ(BSF)として作動している).
433MHz送信時(切り替えて150MHzのトラップ(BSF)として動作)の高調波スペクトル(TinySA Ultra + 60dB ATT)





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