最近のBaofeng UV-5Rのスプリアス特性(2024)

Baofeng UV-5Rは少し前に格安中華系V/UHFトランシーバーとして脚光を浴びましたが、高調波スプリアス特性がカタログ値よりもかなり酷く,新スプリアス規則を満たしていなかったため、評判をおとしました。 近年、Quansheng UV-K5が同様な価格帯で出現し、そのFirmware改造の容易さから注目を浴びました。この無線機もワイドバンド受信機として使用する分には問題ないのですが、アマチュアバンド用トランシーバーとして使用するには過去のBaofeng UV-5Rと同様に高調波スプリアス特性が新スプリアス規則を満たさず,そのままでは使用できません。出力を1W以下に絞るとか、送信用LPFを改造するとか、外付けLPFを追加するなどの対策が必要になっています。 一方、Baofeng UV-5Rですが、2020年ぐらいまでスプリアス特性が酷かったのは上記のように周知の事実ですが、最近はかなり改善されているようだとの報告が幾つか出ています。そのひとつはRadioReference.comのフォーラムでの議論( https://forums.radioreference.com/threads/baofeng-spectral-purity-imd-testing.461065/ )で、もうひとつはyouTubeの動画( https://www.youtube.com/watch?v=CUSUEr6YGOw )です。 これらによると、少なくとも高調波スプリアスは144MHz帯でも430MHz帯でも-60dBc以下になっており,新スプリアス規則をクリアしているようです。当初と比べると、相当な改善があったことを意味しています。しかし、上記のyoutubeの記事によると、これとは別に基本波の約±75kHzにサイドバンド放射が観測され、これが新スプリアス規制値をクリアできていないと報告されています。 と言うわけで、これらを確かめるために最近のBaofeng UV-5RをAliexpressで購入してtinySA Ultraで測定して見ました。 まず、145MHzで送信したときの高調波出力特性です。40dBのATTを通して、tinySA Ultraで測定しています。周波数範囲は0.1MHzから1.5GHzです。 次に、433MHzで送信したときの高調波出力特性です。同様に40dBの...